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『ゴールドベルク変奏曲/グレン・グールド』: Directors’Archives Series 6

グレン・グールド「ゴールドベルク変奏曲」(ガラスCD)(SGCD02(TDCD91228))
発売日:2012年10月5日 型番:SGCD02 143,000円(税込)

2012年の初夏、そのスタジオには過去、日本でリリースされたグールドの『ゴールドベルク変奏曲』に用いられたすべてのマスターが集められていて、それらを聴くために近年ではすっかり出番の減ったPCMプロセッサーのPCM1630+DMR4000等もスタンバイされていました。オペレーションを担当いただいたのは、ソニー・ミュージックスタジオ東京のチーフエンジニアであり、当社リファレンスディスクの多くのマスタリングを手がけてくださっている鈴木浩二氏でした。まさに万全の体制でマスター選定作業に臨めることになったのです。

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1点1点、手作りで制作された木製ケースに石英ガラスCDを収納する。マグネットで吸着する極厚のアクリルプレートがディスクを保護

ソニーのリリースデータによると、それまで日本国内ではグールドの『ゴールドベルク変奏曲』(デジタルレコーディング版)は、特別な企画ものを除いても通常盤として10回以上も発売が繰り返されており、当然のことながらディスクの企画番号ごとに元となるマスターが存在しています。

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ディスクケースにはシリアル番号が入る。石英ガラスCDはこの裏面に

ただ、調査を進めると、それらは元をたどると5種類に大別できることが分かりました。そして、グールドの没後20年記念として2002年に登場した3枚組のメモリアルエディション『A State of Wonder』(この盤のみ、それまで流通していたデジタルマスターではなく、サブ用に並行してまわしていたアナログテープを元にCD用のマスターが制作された)より、後に発売されたすべてのCDには、DSDマスタリングによる一種類のマスターが用いられていることも判明しました。

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特別に制作された上製本のブックレットには、このディスクの制作過程について、ツブサに記述されている

スタジオ入りする前の制作チームは、SACDを含むほぼすべての市販のディスクをそれぞれが聴き比べて意見を持ち寄った結果として、最初期CDである規格番号「38DC35」に使われたデジタルマスターが存在するのならば、それを使いたいと考えていました。ところが、驚くことにマスタリングルーム内にはなんと「38DC35」よりもジェネレーションが一世代若いマスターも用意されていたのです。

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Published in アーカイブス